ハンドバイクとは?

ハンドバイクを一言で言うと、手で漕ぐ自転車(三輪車?)。ハンドサイクルとも呼ばれています。手で回したクランクの回転をチェーンとギアによって駆動輪(主に前輪)に伝えて走るので、下肢に障害があっても乗ることが出来ます。また、ハンドバイクは公道上では自転車と同じ扱いになります。
1980年代に自転車の部品を組み合わせて原型が作られました。1990年代には欧米において広まり、2000年前後から大きな大会も開かれるようになりました。そして、2004年のアテネにおいてパラリンンピックの公式種目となりました。

レース風景

レース風景

アダプター式

アダプター式

2種類のハンドバイク

ハンドバイクには車いすに取り付けるアダプター式とより速く走ることが出来るレースタイプがあります。
アダプター式は調整機能によってほとんどの車いすに取り付けることが出来ると思います。また、車いすに乗ったまま簡単に取り外すことが可能で、それほどスペースも取りません。小回りが利くので、市街地や歩道を走るのに適しています。普通の自転車で言うと、ママチャリでしょうか。例えば、観光地まで車に載せて行き、散策にはハンドバイクを使って、お店に入るときにはアダプター部分を外して車いすで中へという使い方が出来ます。

レースタイプは前輪と後輪が一体となったフレームでできており、重心が低いので風圧を受けにくくカーブでも安定した走りが出来るのでスピードが出せます。乗っている方に聞くと平坦な所で40キロ、下りならいくらでも(笑)出るとか出ないとか...実際に見るとそうとう速いです。パラリンピックなど大きな大会に出るのはこのタイプです。
私が使用しているのは、アダプター式のハンドバイクです。

レースタイプ

レースタイプ

シティ7

シティ7

マイハンドバイク

私が使用しているのはドイツのシュトリッカー社製のシティ7という20インチ7段ギアのモデルです。ブレーキはコースターブレーキ及びパーキングブレーキです。いくつか販売されている中で最もギアが少なく安価なモデルですが、十分楽しめます!車いすより遥かにスピードが出せ、風をきって景色の良い場所を走るととても爽快です。また車いす利用の時と違う筋肉を訓練でき、手軽に有酸素運動が出来ます。

私がハンドバイクを乗るときには、車いすのセッティングを特別に変えています。というのも、アダプター式の弱点として坂道や砂利道などで前輪が空転しやすいという問題がある為です。それを解消する為に車いすの後輪の軸を、後ろ側にもうひとつ付けています。オプションとしてセットバックツールという製品も購入できるのですが、車いすの車種に制限があったり高価なこともあり、ハンドバイクを購入したマツイ商会さんでワンオフ製作してもらいました。この軸に後輪を付けることにより、荷重が前輪方向に移動することになり、スリップしにくくなります。

後ろの軸に後輪を付けたところ

後ろの軸に後輪を付けたところ

アダプター部分と車いす

アダプター部分と車いす

使い方

まず取り付け方法です。車いすに乗ってアダプター部分の前に移動します。アダプター部分を持ち上げ、クランプを車いすフットレストのパイプに固定します。ロックカバーを閉じ、胸の前にあるグリップを上に持ち上げながら押し、ロックします。これでキャスターが上がります。
次に乗り方です。パーキングブレーキを解除し、ハンドルを回転させて前進です。逆回転でコースターブレーキがかかり、停止します。カーブでハンドルをきっても、回転させ続けることが出来ます。

次に取り外し方です。パーキングブレーキをかけた後、ロックカバーを開き、グリップをいったん前に押しロックを解除してから下に下ろします。これでキャスターが下がります。アダプター部分を支えながら、クランプをパイプから外します。
最後にメンテナンスです。通常は注油やネジの増し締めくらいでいいと思います。自分の手に負えない部分は近くの自転車店でサービスを受けるのが良いでしょう。

ハンドバイク使い方動画

使用装備

使用装備

さあ、出発!

私は安全に走れるようヘルメット、グローブ、サングラスを使用しています。いずれも近くの自転車店で購入しました。あと、ipodも使っています。さあ、出発です!